手術支援ロボット「ダビンチ」による直腸手術
当院の外科で行っている、手術支援ロボット「ダビンチ」を使用した直腸手術について紹介いたします。
直腸がんの手術
直腸がんの場合、図のように直腸を切除する手術が行われます。

直腸は手術で見えにくい位置にあります
ところが、直腸は恥骨・膀胱・前立腺・子宮・膣などの背部にある臓器なので、開腹手術では十分に見ることができませんでした。


腹腔鏡手術による変化
腹腔鏡による手術により、直腸がよく見えるようになりました。


ダビンチ手術の特徴
ダビンチ手術も腹腔鏡を使用した手術になりますが、使用する鉗子が大きく違います。

腹腔鏡手術で使用する鉗子

- 直腸のある深部では先端に力が伝わりにくい。

- 深部では先端がブレ易い。

- 「先端」での操作には限界があり、滑りやすい。
ダビンチの鉗子
- 深部でも力がかかる。
- 手振れ防止機能によりブレがなく、止まり続けることができる。
- 先端が曲がるので、適切な方向に引きやすく、適切な方向に切れやすい。

鉗子の特性を生かした手術
鉗子の特性を生かすことで、直腸の深部でもより適切な方向に操作しやすくなります。
腹腔鏡手術

ダビンチ手術

手術方法の比較
開腹手術と比べ、腹腔鏡手術では非常によく見ることができるようになり、ダビンチ手術では病変を思ったように切除できるようになりました。
ロボット手術に関する報告
これらの成果により、「ロボット手術の患者さんは、合併症率が低く、5年生存率が高い傾向にある」との論文が発表されました。 Improved 5-year survival with robot-assisted resection for locally advanced rectal cancer compared to laparoscopic and open surgery: A real-world cohort study
Colorectal Disease, Volume 27, Issue 11, November 2025 以上のように、直腸がんにおいて、「ダビンチ」による手術は合併症を抑え、5年生存率を上昇させることが期待できる治療方法と考えられます。
当院でのダビンチ手術
当院の外科では、手術支援ロボット「ダビンチ」を使用した手術を行っています(羽咋以北では当院のみ)。現在までに、約80人の方の手術を行いました。 これからも、より安全で質の高い医療の提供に努めてまいります。