基本方針
患者さんの人権と自己決定権を尊重します
患者さんの人権を尊重し、信仰、信条や価値観に十分配慮した上で、安全で最良の医療を提供いたします。患者さんの自己決定権を尊重しながら、医療者と患者さんがよきパートナーシップを形成して、患者さんの最善の利益を目的とした方針を決定します。
十分な情報共有と合意のもとで医療を提供します
診療内容やその他必要な事項について、適切な方法と内容で、十分な情報を提供し、患者さん・ご家族からは人生の生き方や個々の価値観などを伺った上で、一緒に最善の判断を探り、最終的な合意に至った上で医療を提供します。
プライバシーと個人情報を守ります
患者さんのプライバシーを尊重し、守秘義務の遵守と個人情報の保護を徹底します。
法令と診療ガイドラインを遵守します
生命倫理に関する法令、医療行為にかかる各関係法令を遵守し、診療ガイドラインを尊重した医療を提供します。
臨床研究・治験を適切に実施します
医学、医療の発展のために必要な臨床研究、治験の実施にあたっては、倫理審査委員会において十分検討します。臨床研究においては、ヘルシンキ宣言を尊重し、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」並びに「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」に従います。また、治験・製造販売後臨床試験に関しては医薬品の臨床試験実施に関する省令(GCP)を遵守します。
その他の倫理的課題への対応
宗教的輸血拒否
宗教的輸血拒否に関する5学会の合同委員会が作成したガイドライン(2008年)に従います。当院は患者さんの意思を尊重して可能な限り無輸血治療に努力しますが、「輸血以外に救命の手段がない」事態に至った場合、輸血を行うという「相対的無輸血治療」の方針を採用します。
末期における意思決定
終末期の判定は、複数医師で検討し、慎重に判断します。患者さんへの十分な説明を行った上で、患者さんの意思を最大限尊重します。患者さんが自立的に判断できない場合には、患者さんの価値観、人生観を十分に理解し、患者さんの立場に立って判断できるような代理人のご意見を伺い、患者さんの利益が最大になるよう多職種が関わり判断します。
身体抑制
抑制しなければ生命にかかわる可能性がある場合など、止むを得ず身体を抑制し、行動を制限する必要がある患者さんには、抑制開始フローチャートに従い判断し、患者さんとご家族に説明し同意を得たうえで行います。
がんの告知
患者さん本人の知る権利を尊重し、本人への告知を優先します。ただし、告知を望まない患者さんもいらっしゃいますので、「あなたの病気がたとえ治りにくい病気(エイズやがんなど)でも本当の病名を知りたいか」、外来受診時に希望をお伺いします。
その他の倫理的問題
様々な場面で、医療者、患者さん、ご家族などの意見が対立することがあるかもしれませんが、多職種が関わり、患者さんにとっての最良の方針を検討します。
尊重する指針・ガイドライン
当院では、臨床倫理に関する判断を行うにあたり、次の諸指針・ガイドライン等を尊重します。
- リスボン宣言
- ジュネーブ宣言
- ヘルシンキ宣言
- 医師の職業倫理指針
- 医の倫理綱領
- 各専門職の倫理綱領
- 高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン(2012年6月 日本老年医学会)
- 救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン(2014年11月 日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本循環器学会)
- 終末期医療に関するガイドライン(2016年11月 全日本病院会)
- 認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(2018年6月 厚生労働省)
- 人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(2018年3月 厚生労働省)
- 透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言(2020年4月 日本透析医学会)